平成22年4月8日
No.10-059
株式会社 いよぎん地域経済研究センター
魚の需要は底堅い、「マダイ」の好みは西高東低
~魚の消費に関するインターネットアンケート結果~
株式会社いよぎん地域経済研究センター(略称IRC、社長 原 正恒)では、このたび、魚の消費動向についてインターネットアンケートを実施し、下記のとおり取りまとめましたので、お知らせいたします。なお、詳細は2010年5月1日発行の「調査月報IRC・2010年5月号」に掲載いたします。
記
【調査概要】
魚(エビ、イカ、カニなどや貝類を除く)の消費動向や、愛媛が主産地の養殖マダイや養殖ハマチなど、養殖魚に対する消費者意識を把握するため、2010年3月にインターネットアンケートを実施、全国の2,614名から回答を得た。
【調査結果要旨】
- 全体の9割以上が「魚が好き」と回答している。5年前と比べた魚を食べる頻度は「増えた」が36.0%に対し、「減った」は12.7%だった。日本人の「魚離れ」が進行していると言われるなか、魚の需要は底堅いと思われる。
- 愛媛の魚類養殖に対する認知度を尋ねたところ、養殖マダイの生産量1位が43.6%、2位が14.2%(実際は1位)、養殖ハマチは1位が33.3%、2位が19.5%(実際は2位)だった。日本一の養殖県としての認知度は、まずまずだと思われる。
- 好んで食べる魚は、全体的に「マグロ」や「サケ」が多く、東日本では「サンマ」、西日本では「アジ」なども多い。「マダイ」は他の魚に比べて好まれる割合が低く、西日本と東日本で好みが異なる「西高東低」の傾向も見られた。
- 天然魚と養殖魚の比較では、「天然魚」の値段が高い(92.6%)、味が良い(71.0%)との回答が多かった。鮮度や安全性などでも、「天然魚」のほうが良いとの回答が多い。生産者や流通業者は、養殖魚のメリットを消費者に正しく理解してもらえるよう、PRすることが求められる。
- 若い世代の魚離れや好む魚に地域性があるものの、日本人の魚に対する需要は根強いと言える。漁業・魚類養殖業界にとっては、消費者ニーズを的確に捉えた生産・販売方法を検討する必要があろう。また、安定した生産が可能な養殖魚は、世界的に需要の拡大が見込まれる海外市場への展開が求められる。