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くろーずあっぷ東予

今治市 若者が創る夢海道(98年1月)

1998.01.01 くろーずあっぷ東予

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 今治市は、愛媛県北東部、来島海峡から燧灘に面した高縄半島東側の平野部に位置し、古くから瀬戸内海交通の要衝として発展してきた。98年度末、本州四国連絡道路尾道・今治ルート(「瀬戸内しまなみ海道(愛称)」)全通の暁には、“瀬戸内三橋時代”における四国の西の玄関口としての役割を担うことになる。
 今回は、今治市および周辺地域の青年が、“町づくり・地域づくり”のために行ってきた活動の一端を紹介する。

「みらい21」委員会

 95年度に今治市役所内に設置されたプロジェクトチーム「機構改革研究会」において、「今治市の将来の夢とロマンを語る組織」として提言された「チームみらい」に端を発している。
 本委員会は、96年1月、若手の市職員と市内の民間企業人など21名により結成された。さらに、近隣の越智郡陸地部5町村と共同で「広域みらい21グループ」を結成し、20年後を見捉えた広域共通ビジョンの策定を目指している。
 地方交通拠点都市「今治」としてのテーマ・パーク化、「みなと」をロマンチックな海の都に創りかえること、タオルの生産量日本一にふさわしい町づくり、全国の最高水準をほこる造船業により親しみを持つ工夫、「瀬戸内海横断自転車道」(後述)の活用など、実に多くの発想豊かな夢、提言が出た。
 その発想は、新ルートの沿線関係3市・12町・5村による、「瀬戸内しまなみ海道周辺地域振興協議会」に反映され、記念シンポジウムの開催、サイクリングシステム調査、地域を代表する人材リストの製作、ホームページの製作などの活動に結びついている。
 また、「みらい21」は、今治人気質を別表の様にまとめている。“自分達を客観的に見つめ直す”ことは、易しいようで難しいが、今治人について、自ら短所とも解釈する諸点を、逆に全て長所に置き換えた知恵に、地元青年の逞しさと発想の柔軟性を感じる。“町づくり”にあっても、今一度、足元から見捉え、地元人の気質を尊重する風土は残しておきたいものである。
 本委員会の提言書にもある通り、これからは、大規模開発に依存した物質的な豊かさではなく、自然の豊かさや、自立や交流を中心とした精神的な豊かさへと比重を移していくとみられる。そういった意味からも、本活動は意義深い。なお、委員会においてIRCニュー・リーダー・セミナー修了生のめざましい活躍もみられる。 

今治人気質

長所として解釈する場合
・ 非常に堅実であり、確実なもの以外への投資はしない。
・ 商売熱心で計算高い気質が今日の繁栄を築いた功績は大。
・ 仲間意識が強くまとまりがある。
・ 情報収集能力、発信能力が高い
・ 非常に勤勉で仕事熱心。内職などの雇用口も多い。
・ 非常に沈着冷静で、観察力や分析力が旺盛。しかもシャイである。
・ 謙虚で自分の自慢を慎む。
※ みらい21は、がんばる人や企業を応援する。

 

しまなみサイクリング

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 7つの島々を10の大橋で結ぶ「夢の架け橋」、本州四国連絡道路尾道・今治ルート(瀬戸内しまなみ海道)には、大規模自転車道「瀬戸内海横断自転車道」が併設される。
 対岸の尾道市から芸予の島々を巡って、全長約80kmで今治市に至る、国内初の海峡を横断する自転車道である。瀬戸内の美しい自然と雄大な橋の織りなす素晴らしい景観を楽しみながら、文字どおり老若男女を問わず体験できる。
 多彩な顔を持つ島々でのサイクリングは、走行距離もマイペースで調整ができ、モデルコースも十指に余る。歴史・水軍探訪コース。眺望・景観コース、家族連れレジャーコース、瀬戸内の味満喫コースなど、“ならでは”のコースが考えられる。日本はもとより世界にも誇れる魅力にあふれたルートになるはずである。
 この自転車道は、沿線や周辺地域に次の効果をもたらすと期待されている。

1) 多様なニーズへの対応
● 車で観光地を巡るのに比べ、観光客の滞在時間が増す
● 地域の史跡名勝などを、こまめに周遊できる
● 海峡を自転車で渡るという希少体験により集客効果が期待できる
● サイクリング愛好者の集客効果がある

2) 健康・自然志向へのマッチ
● 自然の中で、健康と体力の増進を図りつつ観光も楽しめる
● キャンプなどのアウトドアライフと組み合わせた余暇活用に有効である

3) 青少年の健全育成
4) 地域住民への寄与
● 交流機会が増大し、地域への活性化に寄与する
● 住民の新たな余暇活用が生まれる

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 現状では、自転車道を核に、関連するサイクリング施設、アメニティ施設などの整備・システム化が求められている。そのためには、各地にサイクリングターミナル、休憩所、観光地を巡るサブロード、レストラン、案内所、レンタサイクル(貸出場)等を整備する必要がある。
 そして、さらにネットワーク化を進め、島と島あるいは沿線周辺全域をカバーして初めて、その可能性を十二分に生かせ、効果が発揮できる。レンタサイクルも、施設内型、島内周遊型、全線走破型が考えられるが、ネットワーク化されればされる程、乗り捨てシステム、回送システムの導入が必要となる。
 まずは、海道全通までにレベルⅠとして、関連地域の各市町村毎に最低一拠点、しまなみサイクリングの拠点となる基地の整備を進めようとしている。(候補地・下表)
 また全通から10年以内を目標に、サイクリングネットワークシステムの一部稼動を目指している。息の長い活動となるが、全般についての実務レベルの推進役も周辺地域の青年達である。大いに期待される。

(菊地 芳博)

候補地

尾道市 - 駅前、しまなみ交流館(仮称)
向島町 - 立花臨海公園
因島市 - 因島大橋記念公園
瀬戸田町 - サンセットビーチ
大三島町 - 宮浦港情報センター
上浦町 - 多々羅シーサイド公園
伯方町 - 叶浦水軍公園
宮窪町 - 石文化運動公園
吉海町 - 下田水港漁師物語(仮称)
今治市 - サイクリングターミナル、サイクルステーション湯ノ浦
朝倉村 - 緑のふるさと公園
玉川町 - 総合運動公園
波方町 - 波方公園
大西町 - 藤山健康文化公園
菊間町 - 瓦のふれあい広場
魚島村 - 観光センター
弓削町 - 弓削港
生名村 - いきなスポレク公園
岩城村 - リモーネプラザ
関前村 - 岡村港

[ホームページアドレス]
● 今治市
  http://www.webcity.co.jp/mi/imabari
● 瀬戸内しまなみ海道周辺地域振興協議会
  http://www.shimanami.or.jp/council/

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