平成21年3月30日
No.09-55
株式会社 いよぎん地域経済研究センター
愛媛県内企業の海外進出状況について
~2008年の新規進出数は高水準の19拠点~
株式会社いよぎん地域経済研究センター(略称IRC、社長 原正恒)では、このたび下記のとおり、愛媛県内企業の海外進出状況について取りまとめましたので、お知らせいたします。なお、詳細については、2009年4月1日発行の「調査月報IRC・2009年4月号」に掲載いたします。
記
【調査概要】
当社では1989年以降、愛媛県内に本拠を置く海外進出企業に対し、進出時期、進出目的、撤退時期、進出に対する評価、経営状態などについてアンケートを実施している。調査は今回で21回目となるが、2009年1月下旬に実施、143先のうち140先より回答を得た。
【調査結果要旨】
- 2008年12月末時点における愛媛県内企業の海外進出は、29の国と地域に及び、企業数で135、拠点数で281と、前年に比べ8先、11拠点の純増となった。
- 2008年中の新規進出数は19拠点で、高水準であった。そのうち、中国への進出は8拠点と、約4割を占めた。進出目的別では、製造が9拠点で最も多く、業種別では、食料品製造業、一般機械器具製造業、電気機械器具製造業がそれぞれ3拠点で、最も多かった。
- 2008年中の撤退は8拠点あり、その理由は、ほとんどが国内法人、あるいは現地法人の採算の悪化によるものであった。
- 地域別の分布では、アジアへの一極集中が続いており、全体の約8割を占めている。国別では、中国が146拠点(51.9%)でトップ。形態は、「子会社(独資)」が139拠点(49.5%)、「合弁企業」が79拠点(28.1%)であった。業種別では、製造業が205拠点(73.0%)と圧倒的に多かった。
- 中国における、労働契約法施行の影響については、「影響があった」と回答した先は15先(25.4%)を占め、雇用契約期間を複数年にするなどの動きがあった。
- 海外拠点の経営状況をみると、「黒字」が28.7%、「収支トントン」が41.8%に対して、「赤字」は29.5%であり、前年に比べて「赤字」の割合が増加した。
- 世界的な景気悪化の影響については、「現地での売上(販売)低迷」が33.8%で最多となった一方で、「影響はなかった」も28.6%あった。