平成21年3月11日
No.09-39
株式会社 いよぎん地域経済研究センター
しまなみ海道開通10周年を迎える沿線地域の状況について
~島の生活に定着、観光・産業振興にも期待~
株式会社いよぎん地域経済研究センター(略称IRC、社長 原 正恒)では、本年5月に開通10周年を迎える西瀬戸自動車道(愛称:瀬戸内しまなみ海道)の沿線地域の現状や今後の方向性について取りまとめましたので、お知らせいたします。なお、詳細については、2009年3月1日に発行した「調査月報IRC・2009年3月号」に掲載しています。
記
【調査概要】
しまなみ海道の利用実態や整備効果を把握するため、通行車両のナンバープレート調査や沿線地域でのヒアリングを実施した。また、沿線住民に対して利用頻度や利用目的に関するアンケートを実施し、今治市や上島町在住者など、239人から回答を得た。
【調査結果要旨】
- 通行台数は、開通ブーム後に減少を続けていたが、2003年度に増加に転じた。近年は、新特別料金やETC割引の導入などにより、増加傾向で推移している。
- 「愛媛」・「福山」の地元車両の割合が高まっており、車種別では、軽自動車の割合が高く、しまなみ海道は島しょ部住民の生活道路として定着しているようだ。
- 月1回以上利用する人が89.9%に上り、「ほぼ毎日利用する」人も11.3%いるなど、4年前調査に比べ、利用頻度が高まっていた。通行料金の値下げやETC割引の導入後に「利用が増えた」人は49.8%いた。
- 利用目的は、「通院」が37.7%と最も多く、「レジャー」31.0%、「買物」25.5%となった。交通手段については、「マイカー」が89.9%と多かった。また、しまなみ海道が生活に「プラス」だった人は、8割以上に上った。
- 今後は、ETC利用による通行料金値下げの実施で、通行台数の増加が予想される。沿線地域の連携・交流を密にし、第1次産業や海運・造船業などの地場産業振興、観光振興、地域活性化に向けた取り組みが求められる。