平成22年3月23日
No.10-044
株式会社 いよぎん地域経済研究センター
愛媛県内企業の海外進出状況について
~世界同時不況の中、新規進出は低水準の11拠点~
株式会社いよぎん地域経済研究センター(略称IRC、社長 原正恒)では、このたび下記のとおり、愛媛県内企業の海外進出状況について取りまとめましたので、お知らせいたします。なお、詳細については、2010年4月1日発行の「調査月報IRC・2010年4月号」に掲載いたします。
記
【調査概要】
当社では1989年以降、愛媛県内に本拠を置く海外進出企業に対し、進出時期、進出目的、撤退時期、進出に対する評価、経営状態などについてアンケートを実施している。調査は今回で22回目となるが、2010年1月下旬に実施、137先のうち131先より回答を得た。
【調査結果要旨】
- 2009年12月末時点における愛媛県内企業の海外進出は、29の国と地域に及び、企業数で132、拠点数で281となった。拠点数は前年に比べて横ばいとなり、9年連続で続いていた拠点数の増加が止まった。
- 世界同時不況の中で、2009年中の新規進出数は低水準の11拠点となった。そのうち中国への進出は6拠点となり、進出目的別には、販売が7拠点で最も多かった。
- 2009年中の撤退は11拠点あるが、現地企業の統合によるものが3拠点含まれており、実質的には撤退数は8拠点であった。現地法人の採算悪化によるもののほか、現地での取引関係、信頼関係が構築でき、拠点の必要性が無くなったことによる撤退もあった。
- 地域別の分布では、アジアが全体の約8割を占めている。国別では、中国が142拠点(50.5%)でトップとなった。
- 中国の進出拠点の地域別内訳をみると、販売・サービス関連を目的とする拠点の6割以上が上海市に集中している。中国の「市場」としての魅力が高まる中で、製造目的以外の進出の割合が高まっている。
- 2010年以降の県内企業の海外進出については、国内需要の減少を見越して、海外での販路開拓を目的としたものが増加すると予想される。