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まちおこし

愛媛県松山市 大観覧車が街にやってきた 人気急上昇 都市のランドマーク-この秋、松山にも登場!(2001年8月)

2001.08.01 まちおこし

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 松山市の中心部、ビルの屋上に大きな円形の構造物が姿を現した。この秋増床オープンする伊予鉄百貨店の観覧車の工事が、新館建設とともに、着々と進められている。
 キュッと締まったままの消費者の財布のヒモを、いかにして緩めるか。その一方策として、アミューズメント機能を高める大型商業施設が増えてきている。愛媛県内にもシネマコンプレックス、スーパー銭湯などを併設した大型商業施設が次々にオープンしている。そして最近、全国的に人気が急上昇しているのが観覧車なのである。

観覧車の魅力、再発見

 観覧車の魅力とはいったいなんだろう。てっぺんからの眺望もさることながら、徐々に地上から離れていく時に、日常からの開放感を味わうのかもしれない。カップルには密室空間というのもうれしい要素にちがいない。また実際に乗らなくても、夜、ライトアップされた姿は、見た目にも美しく、都市の賑わいを感じさせてくれる。
 娯楽施設がスピード、スリル、リアリティを求めてハイテク化する一方で、ゆったりした動きで安らぎを与えてくれる観覧車が、また見直されているようだ。
 子供からお年寄りまで利用者の幅は広い。最近は車椅子のまま乗れるなど、バリアフリー化が進んでいる。冷暖房完備で、一年中快適に楽しめるところも増えている。もっとも、高所恐怖症の人にしてみれば、どんなに快適なゴンドラでも、「ご勘弁」かもしれないが。

 

商業のエンターテイメント化とともに増加

 観覧者が商業施設に設置され始めたのはいつ頃だろう。さかのぼると95年4月にオープンした「イオン下田ショッピングセンター(青森県下田町)」あたりが先駆けであったようだ。当初より利用者数は減ってきているが、昨年も、冬の休業を除く実質半年足らずの運行期間中に、町の人口を上回る利用があったという。なによりも町のシンボルとして定着し、住民から愛されているようだ。
 それ以後99年までに、神戸、大阪、横浜、東京という大都市圏の複合施設で、5つの観覧車が建設されている。そのうち3つは、直径100mという、当時としては世界最大級の大観覧車であった。平地にこのクラスの観覧車を建てた場合、建設費が20~25億円くらいかかるらしい。ちなみに回転と照明のため電気代は、年間7~8百万円くらいと、意外に少ないようだ。
 そして2000年には1年の間に、観覧車を備えた複合施設が5ヵ所も登場したのである。(モザイクモール港北[横浜市]、マリノアシティ福岡[福岡市]、マイカル小樽[小樽市]、カーニバルパーク・ミハマ[沖縄県北谷町]、チャチャタウン小倉[北九州市])。観覧車ブームは、北は北海道から南は沖縄までまたたく間に広がった。
 そして、今後オープンを予定している施設もいくつかある。この観覧車人気、まだまだ続きそうな勢いだ。

観覧車の背くらべ

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中四国初の「ビルトイン観覧車」が松山に登場

 今年10月からは、本県でも松山市のど真ん中、伊予鉄百貨店の屋上で観覧車が回り始める。
 この、ビルの屋上から突き出たように見える「ビルトイン観覧車」は、全国でもまだ他に3例があるのみ。ちなみに、98年に大阪にオープンした「ヘップ・ファイブ」が『世界初』である。梅田という好立地もあり、初年度の利用者は半年足らずで100万人を突破、ビル入館者の1割近くにものぼった。
 中四国初のビルトインタイプとなる、伊予鉄百貨店の観覧車も、高い集客効果を発揮しそうだ。観覧車を目指して一気に屋上まで上がったお客さんは、降りながら各階の売場に誘導されることになり、「シャワー効果」で売上増加も期待できるだろう。

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市民に親しまれる新しいランドマークに

 この観覧車の最高到達点は地上85m。道後平野が一望でき、松山城がほぼ同じ高さに見えるという。城山と並ぶ松山の新しいランドマークとなることはまちがいないだろう。
 夜はコンピュータ制御のネオンでライトアップされる。地上から見上げる大輪の光の華と、観覧車から見下ろす47万都市の夜景、どちらも松山の夜を魅力的に演出してくれそうだ。
 百貨店の集客力アップのみならず、中心市街地全体の集客力アップ、はたまた観光都市松山の魅力増加にも役立ってくれることを願ってやまない。そして新しい松山のシンボルとして、市民に愛される存在となってほしいものである。

(上甲いづみ)

95年以降にできた主要な観覧車

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名    称場所直径高さ定員料金(大人)開業年備    考
1.イオン下田
  ショッピング・センター
青森県62m 65m 240名
(6名×40台)
400円/人 95.04商業施設の観覧車ブームの先駆け
2.モザイクガーデン神戸市45m 50m 128名
(4名×32台)
600円/人 95.12ハーバーランド再開発地の暫定利用
3.天保山
 ハーバービレッジ
大阪市100m 112.5m 480名
(8名×60台)
700円/人 97.07観覧車のライトの色で天気予報を表示
4.ヘップ・ファイブ大阪市75m 106m 208名
(4名×52台)
700円/人 98.11世界初のビルトイン方式
5.よこはま
 コスモワールド
横浜市100m 112.5m 480名
(8名×60台)
700円/人 99.03みなとみらい博施設を移転
6.パレットタウン東京都100m 115m 384名
(6名×64台)
900円/人 
3,000円/台 
99.03現在1番高い料金
東京臨海副都心
7.モザイクモール港北横浜市45m 75m 128名
(4名×32台)
400円/人 
800円/台 
00.03ビルトイン方式
港北ニュータウン
8.カーニバルパーク・
 ミハマ
沖縄県45m 60m 128名
(4名×32台)
600円/人 00.04ビルトイン方式
沖縄唯一の観覧車
9.マリノアシティ福岡福岡市50m 60m 144名
(4名×36台)
600円/人 
1,200円/台 
00.10九州初本格的アウトレット等に併設
10.マイカル小樽小樽市50m 58m 144名
(4名×36台)
600円/人 
1,200円/台 
00.11ネオンパターン約40種
11.チャチャタウン小倉北九州市50m 60m 144名
(4名×36台)
500円/台 00.11JR砂津車庫跡地開発
12.葛西臨海公園東京都111m117m408名
(6名×68台)
700円/人 01.03現在日本最大規模
関東地方を一望
13.伊予鉄百貨店松山市45m 85m 128名
(4名×32台)
未定01.10中四国初ビルトイン方式
14.エバーランド・
  マリノア
  (仮称)
福岡市115m 120m 480名
(8名×60台)
未定01.12完成後は日本最大規模に
15.エスパレス・
  ドリームプラザ・ビラ
清水市未定未定未定未定02.03ビルトイン方式
16.長柄
  ショッピングリゾート
千葉県 約80m 未定未定02.春長柄ダム湖畔に立地
アウトレット店他

※入園料が必要な遊園地内にあるものは除く

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