【概要】道の駅「貞光ゆうゆう館」
〒779-4101
徳島県美馬郡つるぎ町貞光字大須賀11-1
TEL 0883-62-5000 FAX 0883-62-5100
定休日 第3水曜日(レストランは毎週水曜日)
シリーズ「四国の『道の駅』を訪ねて」第3回は、徳島県の剣山登山道入口に位置する、「貞光ゆうゆう館」を紹介する。
道の駅「貞光ゆうゆう館」
松山ICから車で2時間弱、徳島道美馬ICを降りて7分ほど走ると、高さ23mの展望塔が視界に入ってくる。そこが道の駅「貞光ゆうゆう館」である。
当施設は、平成7年11月に登録された徳島県で第1号の道の駅で、剣山登山道や剣山スキー場への入口に位置する。レジ通過客は年間約25万人、立ち寄り客は推定同70万人を誇る人気のスポットだ。
施設の概要
当施設は、展望塔、レストラン、物産館の他に、ギャラリー、宴会場、会議室、テニス場、ミニバスケット場等の充実した設備を持つ。さらに、国道192号線をまたぐ陸橋を渡ると、吉野川河川敷には、2面のサッカー場と四国最大規模となる27ホールのパークゴルフ場もある。パークゴルフ場は無料で利用できることもあって、愛好者の交流の場となっている。用具も無料で貸し出しており、立ち寄り客も気軽に楽しめる。なお、当施設周辺にはパークゴルフ協会の会員が約170名もいるそうだ。
名物の数々
レストランでは、市町村合併でつるぎ町となった旧貞光町、旧半田町、旧一宇(いちう)村の名物をとりあわせた「つるぎ定食」が人気である。鮎の塩焼き、鮎の稚魚の唐揚、阿波尾鶏のソテーのほか、貞光のとうふ、半田そうめん、一宇のこんにゃく、ゆず入り干し柿など充実の内容で、価格は剣山の標高にちなみ1,955円に設定されている。また、南米ベネズエラから輸入したワニ料理(クロコ湯引き、クロコ唐揚げ、クロコの一口カツ)も当施設の名物料理だ。その他に、地元産ゆずはちみつ入りの手作りジェラードも人気で、多い日には1日約600個も売れるそうである。物産館では、ゆずみそ、半田そうめん、近隣スーパーより安い地元のとれたて野菜が人気の商品である。
近隣の観光名所
貞光といえば、「2層うだつ」が有名であるが、当施設から車で3分ほど走ると、2層うだつの町並みを見ることができる。うだつとは、もともと火事の際、隣家への延焼を防ぐ防火壁として作られたもので、当時の資産家は競ってうだつのある立派な家を作ったそうだ。「うだつが上がらない(ぐずぐすして成長・発展がない)」ということわざはこれに由来している。うだつといえば、同じ徳島県の脇町も有名だが、貞光のうだつは、2層式で、寿福祈念の白虎や鯉、亀等の絵模様(鏝絵(こてえ))が装飾されているものが多いことが特徴である。これらが何軒も続く町並みは見ごたえがある。
その他にも、美人の湯として知られる剣山木綿麻(ゆうま)温泉や旧一宇村の日本一の大榎(おおえのき)をはじめとする四国一の巨樹の数々、永井家庄屋屋敷など、当施設周辺には見所が多い。もちろん足を延ばせば、国定公園剣山に登ることもできる。
地域交流と観光情報発信の場として
施設の概要で触れたように、当施設には、会議場や宴会場、地元の芸術愛好家が発表の場として利用できるギャラリーなど、地域交流の場としての機能が充実しており、広く利用されている。
また、施設の従業員が、キレンゲショウマなど珍しい季節の花々の開花情報や周辺観光施設の情報などを積極的に案内している。
さらなる発展を目指して
当施設の支配人見定(けんじょう)広明氏に、今後の抱負をお聞きしたところ、「夕食のレストラン利用客の増加」を挙げられた。多くの道の駅に共通して言えることだが、昼食の利用客は多いものの、夕食の利用者数が今一歩のようである。今後、メニューの新設、更新を積極的に行い、マンネリ化防止を図っていくとのことである。また、クリスマス・リースの手作り教室等は既に実施しているが、将来的には、当施設の名物の1つである手作りとうふの体験教室も考えているそうだ。
恵まれた施設や立地に甘んじることなく、さらにソフト面の充実に智恵を絞っている「貞光ゆうゆう館」のさらなる発展を期待したい。
(藤原 英治)